ハッピーエンドなんていらない
温もりが、凍ったわたしの心をゆっくりゆっくり溶かしてくれる。
遊園地はやはりジェットコースターがとても多かった。
中にはバイキングなどもあったけれど、わたしたちがジェットコースター目的だったのもあり、乗るものは限られていた。
クリスマス、やはりカップルがたくさんいた。
時折羨望の眼差しを向けられるのは、雪が格好いいからだろう。
通りかかる人誰も、わたしたちが恋人のフリをしてるなんて知らないだろう。
湊や紫苑ですら知らないんだ。
まあ、知られたいわけではないのだけれど。
お昼ごはんを食べて少し休憩をしたあとも絶叫系に乗ることになった。
楽しくて、ただ楽しくて、たくさんはしゃいでいた。
けれど、2人幸せそうにする湊と紫苑を見るたびに胸が苦しくなった。
…わたしには雪がいるのに、という意識がどこかでわたしを苦しくさせて、安心させていた。