ハッピーエンドなんていらない
いくつか項目があって、それをまとめて自分について発表する二分の一成人式。
雪は発表では幼い頃の思い出について語ってただけで名前の由来は画用紙にまとめただけ。
だから、内容までは覚えてなかったんだけど。
「あ、カフェ見っけ」
人混みを抜けて、目的地のカフェを見つけた。
雪らしく、想像通りのおしゃれなお店で、思わず笑みをこぼした。
お店の中は暖房がよく効いていて、思っていたとおりとても暖かかった。
このワンピースで寒くないか迷ったけれど、着替えなくて良かったと思う。
ヘタに厚いの着てても、ここに来たときに暑くて耐えられなくなってしまう。
それに、雪が格好いいから、それに似合う彼女になりたいから。
…なんて、ああ、わたし、これじゃあまるで雪のことが好きみたいじゃないか。
確かに半分は、あってるけれど。
半分は、好きだけれど。