ハッピーエンドなんていらない
メニューを開いてまじまじと見る。
飲み物と一つスイーツを頼もうと思うのだが、やたらパフェが目にうつりこんでくる。
…外は寒いというのに、美味しそうなものには目がないから、わたしって。
「…雪は、もう決めたの?」
携帯をいじっている雪に声をかけると、もちろんと笑顔で返された。
そりゃあそうか、雪がここに来たいと言ったくらいだもんな。
早く決めないととメニューの方に集中し出すと、雪がふとメニューを覗き込んで何かを指差した。
「おれこのパフェ頼むけど、彩芽、半分食べる?」
雪の言葉に思わず目を輝かせた。
ちょうど1人では多いと、そしてさすがに寒いと思っていたところだ。
「うん、半分もらう」
えへへと笑って、飲み物は決めていたので店員さんを呼んだ。
雪はカフェオレとパフェを、わたしはココアを頼んだ。
それからたわいない話をしていると、そう時間も経たないうちに注文の品が届いた。
「うん、やっぱ思ったとおり美味しいな」
新作のカフェオレを美味しそうに飲む雪に笑みがこぼれる。
ちなみに、わたしのも雪のももちろんホットである。