ハッピーエンドなんていらない



メニューを開いてまじまじと見る。

飲み物と一つスイーツを頼もうと思うのだが、やたらパフェが目にうつりこんでくる。


…外は寒いというのに、美味しそうなものには目がないから、わたしって。


「…雪は、もう決めたの?」

携帯をいじっている雪に声をかけると、もちろんと笑顔で返された。


そりゃあそうか、雪がここに来たいと言ったくらいだもんな。

早く決めないととメニューの方に集中し出すと、雪がふとメニューを覗き込んで何かを指差した。


「おれこのパフェ頼むけど、彩芽、半分食べる?」

雪の言葉に思わず目を輝かせた。

ちょうど1人では多いと、そしてさすがに寒いと思っていたところだ。

「うん、半分もらう」

えへへと笑って、飲み物は決めていたので店員さんを呼んだ。


雪はカフェオレとパフェを、わたしはココアを頼んだ。

それからたわいない話をしていると、そう時間も経たないうちに注文の品が届いた。


「うん、やっぱ思ったとおり美味しいな」

新作のカフェオレを美味しそうに飲む雪に笑みがこぼれる。

ちなみに、わたしのも雪のももちろんホットである。

< 132 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop