ハッピーエンドなんていらない
邪魔する勇気がなくて入るのをやめたと言ったが、正直今すぐ扉を蹴破りたい気分ではあった。
図書室はわたしの聖地と言っても過言ではないのだ。
今でも休憩時間に雪が来てくれたりするし、また新しい本が入ったし。
開いてるからと言って決してそんなことをしていい場所ではないはずなのだ。
「…なんだか、なぁ…」
今日は偶然にも、帰る前に持参の本を読み終えてしまったところだ。
しかも課題も終わってしまっている。
つまりは、やることがない。
暇で暇で仕方ないこの日に限って、先生から頼まれごとをしてカップルに先を越されるなんて。
ついてないとしかいいようがない。
ため息をつき、荷物を持って教室に向かう。
鍵は閉まっていたら最悪先生に頼めば、先生が鍵を貸してくれるはずだ。
まあそのためにわざわざ職員室に行くのも面倒なので、開いていてくれることを望む。