ハッピーエンドなんていらない
気を遣われたのか指が解けそうになって、わたしは離すまいとギュッと掴んだ。
それに少しだけ驚いた雪がこちらを向いたので、わたしは足を止めた。
不思議そうにしながらわたしに合わせて立ち止まってくれる雪。
「あのさ、雪、」
声をかけてしまってから、聞いてもいいことなのだろうかとためらう。
普通なら聞くようなことじゃないよなと思い、言葉がうまく出てこない。
でも聞かないままだと気になってしたかないし、腹をくくるしかない。
わたしはそう意を決して、雪の目を見た。
「わたしのこと、小学生の頃から好きだったって、ほんとう?」
口にするとどうじに、わたしの頬が熱を帯びていくのを感じた。
まさか自分のことが好きなのかと尋ねる日が来るとは思っていなかった。
まるでナルシストみたいだと考えながら、雪の返事を待つ。
雪はわたしのいきなりの問いに驚いて、しばらく黙ってしまった。