ハッピーエンドなんていらない



その日はそのまま、特に何か話すことはなく家に帰ることになった。

雪は心配だからと家まで送ってくれたけれど、わたしとしては気まずいから1人で帰りたかった。

喧嘩したわけでもないし、悪いことをしたわけじゃないんだけど、なんだか気まずい。

その原因の中には、さっきの話をしたあとから雪が気を遣ってるのもある。

逆に、わたしが気を遣っているというのもある。


多分、わたしの予想でしかないんだけれど、雪は、わたしに罪悪感を抱いているのかな。

騙してたと言っていたし、きっと。


雪と別れてから速攻でベッドにダイブしてそう思う。


「…気にしなくて、いいのにな…」

きっと雪が嘘でもついてくれなかったら、わたしはずっと湊を思い続けたまま。

時間が経つことで想いが消えてくれることを期待したまま。

でもなかなか消えずに白く広がる想いを抱えたまま。


雪には、感謝してる。

それと同時に雪に惹かれている。

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