ハッピーエンドなんていらない

でもはっきりとそうだと言わないあたり、告白はされていないのだろう。

…よかった、もう告白されていたらどうしようかと思った。

ギュッと拳を握りしめて、湊と向かい合う。


「随分思わせぶりな態度とってるけど、想良ちゃんのこと好きなの？」

はっきりと尋ねると、湊がムッとしてわたしから目をそらした。

「別に、どうだっていいじゃん」

おれの自由だと言った湊の顔が、なんだか切なそうで苦しそうで。

…それは、忘れられない誰かを想っているときの顔によく似ていた。


ああわたしも、湊のことをそういう目で見ていたのかもなと思った。


じぃっと見つめていると、そのうち湊がちらっとわたしを見て、

「…別に、あいつのことは好きじゃないよ」

そう、きっぱりと言い放った。

「そっか」とわたしは相槌を打つ。