ハッピーエンドなんていらない
つい最近、冬休みまでは短かった日も、だいぶんと長くなった気がする。
本当に気がする程度で、長くなったのかすら謎だけど。
窓から図書室に差し込む光は金色で、まだ日が暮れかけているだけだ。
冬休み直前は、この時間にはもうもっと赤が強かった。
そう思うとやはり、徐々に日が長くなっていっているのだろう。
1年という時の短さと、過ぎゆく時間の速さを改めて感じさせられる。
「今週の土曜日は部活だし、日曜日でもいいかな…?」
不安げに尋ねてくる紫苑に、いいんじゃないかなと言って頷いた。
部活をサボると言い出さなくて安心する反面、こうして平気でサボるくらいだから少し心配。
やっぱり、何かされてないかなとか、平気でサボれるくらいに追い詰められてるんじゃないかなとか。
部活を一切やっていないわたしに、何がわかるんだって話なんだけど。