ハッピーエンドなんていらない



確かに部活の上下関係だとか、そういう人間関係には疎いかもしれない。

だけど、やっぱり紫苑の事情を知っている親友である以上、紫苑のことが心配なわけで。


「土曜日部活だったんだね、頑張れ。

じゃあ、日曜日の昼から買いに行こうか」

さり気なく、探るように部活のことを口にすると、紫苑が少し悲しそうな顔をした。

悲しいというか、呆れ顔ともとれるような表情をしている。


「そうなんだよね。実はその日練習試合でさ、休みたくても休めなくて。

散々言うわりにこういう時には絶対に来いって言うんだもん」

やになっちゃう、と紫苑はため息混じりに呟いた。


どうやら、解決したというのは表向きだけであって、まだいざこざがあるらしい。

聞けば紫苑はまだ悪口を言われているらしく、練習中に嫌がらせをされることも稀にあるらしい。

ただ、いざこざの元凶である先輩はその嫌がらせを良く思ってないらしく、それだけが救いだと言っていた。

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