ハッピーエンドなんていらない



「とりあえず買い物はそれでもいいよ。

わたしは、お昼ごはんを一緒に食べてから買いに行くのもアリかと思ったんだけど」


紫苑はそう言いわたしを見ると、ニッと歯を見せて笑顔を浮かべる。

ふわりと花が咲く笑みに、わたしもつられてニコリと微笑んだ。


「いいね、それ、じゃあどこかで食べてからいこうか」

紫苑の提案にのると、紫苑は嬉しそうに手を叩き「やったぁ」と笑った。

可愛い、というよりも愛らしい笑みは、本当に素敵で紫苑らしくて。

やっぱりそんな紫苑を羨ましいと感じる。

恋絡みではなくても、やはり紫苑のことはとても羨ましいと思う。


ふわりとした女の子らしい笑顔がよく似合っていて、愛らしさがある。

普段クールだなんて言われてしまってるわたしには、そんな愛嬌はないから、羨ましい。

でも、それはあくまでも紫苑らしさで、わたしにはわたしの、そういうクールだっていうわたしらしさがあるのだろうけど。

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