ハッピーエンドなんていらない
小学生の頃と比べて、玩具とか本とかが床に置かれていない分広く見えるのかもしれない。
そんなことを感じながら、適当な場所にくつろいだ。
「ちょっと、片付けしたんだよね。
それより、飲み物とってくるけど、何か飲みたいものある?」
扉のドアノブに手をかけて、雪はわたしに問いかけた。
特に飲みたいものもなかったわたしは、「なんでもいいよ」と雪に笑いかけた。
雪が部屋を出ていったあとに、立ち上がり部屋の中を見渡した。
勉強机やベッドはあの頃と変わらないまま、本棚などが増えている。
よく来てた頃は、長く使えるようにと買われた大きなベッドに、4人で寝転がったりしたっけ。
そういえば、おもちゃ箱はもうどこにもないんだな。
いろいろと思い出しながら部屋の中を見回す。
そんな中で折りたたみ式の机を見つけて、部屋の空いてるスペースに広げた。
よく使っているのか、綺麗にされている。