ハッピーエンドなんていらない
そんな紫苑と湊を見て、わたしはわざとらしく雪の腕に自分の腕を絡めた。
わたしたちの方が仲いいですよ、みたいな。
今まで散々見せつけられていたものだから、なんだかこちらから見せつけたくなってしまって。
そんなわたしに雪はクスッと笑うと、優しくわたしの髪をなでた。
頑張った髪型を崩してしまわないように気を遣いながら。
紫苑と湊はわたしたちの様子を気に留めることなく、またいつものように前を歩き始めた。
わたしたちもいつものように、その2人を後ろから追いかけていた。
目的地は家から歩いて10分くらいのところにあるショッピングモールだ。
そこでお昼を食べて、買い物をしたりするらしい。
行き慣れたお店だけど、無駄遣いには気を付けないと。
でも、久々に行くから買いたい物がたくさん出てきそうだな。