ハッピーエンドなんていらない



そんな紫苑と湊を見て、わたしはわざとらしく雪の腕に自分の腕を絡めた。

わたしたちの方が仲いいですよ、みたいな。

今まで散々見せつけられていたものだから、なんだかこちらから見せつけたくなってしまって。

そんなわたしに雪はクスッと笑うと、優しくわたしの髪をなでた。

頑張った髪型を崩してしまわないように気を遣いながら。


紫苑と湊はわたしたちの様子を気に留めることなく、またいつものように前を歩き始めた。

わたしたちもいつものように、その2人を後ろから追いかけていた。


目的地は家から歩いて10分くらいのところにあるショッピングモールだ。

そこでお昼を食べて、買い物をしたりするらしい。

行き慣れたお店だけど、無駄遣いには気を付けないと。

でも、久々に行くから買いたい物がたくさん出てきそうだな。

< 247 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop