ハッピーエンドなんていらない



まずはお昼ごはんを食べて腹を満たしてから、ショッピングモールの中を適当に歩いていた。


「どこ行く?」

紫苑の問いに、わたしはどうしようかと雪を見た。

雪はどこでもいいよと言って笑っている。

多分、気を遣っているわけではなく本当にどこでもいいのだろう。


「文房具屋でも見てく?」

仕方なくわたしが提案すると、紫苑は見たいと目を輝かせた。


特にほしい文房具があるわけじゃないし、見たいものもないのだけれど、行くところもないし。

文房具屋さんってたまにおもしろいものもあるから、目的がなくても楽しめるかなと。

本屋さんだと、わたししか楽しめなくなっちゃうからね。


「あ、そうだ、せっかくならシャーペンおそろいにしよう」

珍しくお揃いを買おうと言った湊に、3人おも賛成をした。


さすが文房具屋さん。

シャーペンだけでも何種類もあって、便利そうなものがたくさんある。

その中でも色違いでお揃いにできそうで、なおかつ使いやすそうなペンを選んだ。

すごく分かりにくい、お揃い。

でも、このくらいがちょうどいい。

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