ハッピーエンドなんていらない



漫画みたいに、絶対に、遠距離でも幸せに終わるような、お互い気持ちが変わらないような、そんなハッピーエンドはいらないから。

そうなるとは限らないのだから。

わたしたちはわたしたちなりのハッピーエンドで終わらせればいい。

これで雪に好きな人ができても、後悔しない。

裏切られただなんて思わなくても済むでしょう。

わたしは、見返りを求めて雪を好きになったわけじゃないから。

雪に愛されるために雪を愛したわけじゃないから。


わたしは、単純に雪のことが好きなだけなのだから。


見返りを求める愛はいらない。

わたしは純粋に雪を好きでいる。

だから、もしもまた会った日に、雪がまだわたしのことを好きだったなら、そのときは。



…でもやっぱり、ハッピーエンドはいらなくないよ。

幸せに、なりたいんだよ。

ただ何もかもを望むことはできないから、せめて雪がまたこっちに戻ってくるように、それだけを望むの。

こっちの大学に、必ず受かって、必ず戻ってきてくれますようにと。

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