ハッピーエンドなんていらない
素直になってしまえば歯止めが効かない気がして、馬鹿みたいに素直になれなくて。
“幼馴染”だから、このくらいのことも良いよねって、湊はきっとそのつもり。
だけどその行動一つ一つがわたしを舞い上がらせて、期待させる。
馬鹿なわたしのために思わせぶりな態度はやめてなんて、言えないわたしは本物の馬鹿。
「で、焼きそば組がまだ帰ってこないな。
彩芽は他に食べたいものある?」
唐揚げを食べながらそう言う湊に、わた菓子片手に唐揚げを食べながら、
「別に…、しいていえばチョコバナナ」
えへへと笑ってそう言う。
そんなわたしの頭に腕をおいて、顔を覗き込みながら、
「ほんと、食いしん坊だな」
クスクスとからかうように笑う。
太るぞなんて失礼なことを言うから、わた菓子を持ってる方の肘で軽く腹をついてやる。
「いいじゃん、せっかくのお祭りなんだから」
ふいっとそっぽを向いた。