ハッピーエンドなんていらない
消えていく、花。
どうしても消せない想い。
暗闇に消えていく夜空の花と、
暗闇すら白で染めるわたしの想い。
また乗せられた雪の手を握りしめた。
「…なあ、彩芽」
雪がふと呟いて、わたしが雪の方を見る。
「…やっぱり、なんでもない」
そらした視線の先に見えたハートの花火と、その直前に見えた抱き合う2人。
ジンクスを信じて、唇を重ねた2人から目をそらして、見ないふりをした。
「ずっと、4人でいたいな」
帰り際、湊がそんな言葉をこぼした。
「そう、だね」
笑う、わたしの心が泣いている。
4人で、いたいね。
わたしにはその関係を、きっと壊すことはできないね。
消えない想いは、いつになったら忘れられるのだろう。
怖い、深い、闇に堕ちていく。
時間が経てば想いも褪せてくれるのかな。
1人きりの部屋の隅、わたしは静かに涙を流した。