ハッピーエンドなんていらない
2.
それは思いがけないハプニングで、わたしの衝動的な行動が招いた結末だった。
あれから数日も経っていない日のことだった。
紫苑はあれっきりわたしの好きな人の話はしてこなかった。
雪も疑いの目は向けるものの、湊が好きかと聞いてくることはなかった。
このままならなんとかバレずに済みそうだと、雪の目を誤魔化すことだってできるだろうと、そう思い始めていたのに。
どうしてだろう、つい、衝動的に。
その日は少し先生から頼まれごとをしてしまって、図書室に行くのが遅くなった。
といってもいつもわたししか来ないし、誰もいないだろうと思っていた。
だけど図書室の扉の真ん前まで来たときなんか嫌な予感がして、荷物をその場においてゆっくりと扉を開けた。
音をほとんど立てずに開けて、一歩図書室の中に足を踏み入れて、後悔した。
先客がいたのだ。
それも、扉からは死角になっている場所に2人、カップルの。