ハッピーエンドなんていらない
教室で3人を待つのははじめてかもしれなかった。
今までは早く図書室に行っていたし、遅くなってもあんな先客いなかった。
1人くらい人がいたって、まあ図書室だし普通に無視して本を読んでいた。
だから教室で残るということはほとんどなかったんだけど。
「…ほんと、最悪…」
声に出して呟く。
思い切り深くため息をつくと、一度机に伏せて窓の方を見た。
…教室からなら運動場が見えるだろう。
席を立って窓の方まで向かう。
運動場にはサッカー部と野球部がいて、教室からはちょうど、サッカー部の練習しているところがよく見えた。
もちろん湊もいた。
今はシュートの練習をしているところだろうか。
窓から離れて席に戻る。
これ以上はもう見ていたくなかった。
どんどん湊のことを好きになっていくようで、気持ちを止められなくなるから。