ハッピーエンドなんていらない



教室で3人を待つのははじめてかもしれなかった。

今までは早く図書室に行っていたし、遅くなってもあんな先客いなかった。

1人くらい人がいたって、まあ図書室だし普通に無視して本を読んでいた。

だから教室で残るということはほとんどなかったんだけど。


「…ほんと、最悪…」

声に出して呟く。

思い切り深くため息をつくと、一度机に伏せて窓の方を見た。


…教室からなら運動場が見えるだろう。


席を立って窓の方まで向かう。

運動場にはサッカー部と野球部がいて、教室からはちょうど、サッカー部の練習しているところがよく見えた。


もちろん湊もいた。

今はシュートの練習をしているところだろうか。


窓から離れて席に戻る。

これ以上はもう見ていたくなかった。


どんどん湊のことを好きになっていくようで、気持ちを止められなくなるから。

< 71 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop