ハッピーエンドなんていらない
簡単には消えそうにないところは、わたしの恋そのものみたいだ。
ため息をついて、文字のすぐそばをゆびでなぞった。
「…好きだよ、湊」
届かない、届いてはいけない想いを口にする。
好きだよ、どうしようもないくらいに好きなんだ。
簡単に忘れることのできないわたしを、どうか許してほしいの。
いけないことだとわかってる。
忘れるべきだと、諦めるべきだとはわかっている。
でも、湊のことがどうしようもないくらいに好きなんだ。
心の底におさえつけていた想いがふつふつとこみ上げてきた。
吐き出しそうになる想いは、喉を超えて涙となっていった。
だけど、チャイムの音にハッとした。
いつも鳴る、部活が終わる直前のチャイムだ。