ハッピーエンドなんていらない



目が冷めたのは翌朝のことだった。

慌てて起き上がると、いつもの起床時間よりも結構早かった。

けれど二度寝するにもできないし、起きることになった。


いつの間にか寝てしまっていたとはいえ、お風呂はご飯より先に入るし、パジャマも着てる。

せいぜい夕飯を食べ損ねたくらいだから、大してやることもない。


適当に携帯に手を伸ばすと、雪から何やらトークがきていた。

『明日の朝、湊と紫苑に付き合ったって報告してもいいかな?』

一応とはいえ付き合ってるんだし、確認せずとも公表しちゃっていいのに、わざわざ確認するところが雪らしい。


「というか、そっか、雪と付き合ってるんだっけ」


人と付き合った翌日って、こんなものだったっけ。

湊一筋で誰とも付き合ったことのなかったわたしには、よくわからない。

こんなにも実感がわかなくて、いつもとなんら変わりないものなのだろうか。

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