バツ1子持ち、それでも先生が大好き!
キスされそうになる。



絶対嫌だ。



顔を反らした。



彩夏、何してるの。



私は思い切りの力を込め椅子から立ち上がり、椅子ごと後ろに倒れた。



頭を打ったみたいだが倒れた拍子に、渡邊が私に覆い被さる格好なってしまった。



笑えないでしょ。どこまで私ってドジなんだから。



「姫野何が可笑しい? 」



「渡邊こんな事して何になるの。渡邊は好きな人いないの?」



「うるさい黙れ!」



彩夏私もう駄目みたい。



もう渡邊を拒む力も薄れていく。



ドアを叩く音。



彩夏だ。



私は最後の声を振り絞って叫んだ。



「彩夏助けて! 」



鍵が開き誰かが飛び込んで来た。



私の上に乗っていた渡邊を、誰が思い切り殴り飛ばした。



彩夏が抱き締めてくれた。


「もう大丈夫だから、助けるの遅くなってごめん。」


そのまま意識を手放した。



かず君の声が遠くで聞こえた。







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