君は夜になく
♯変わらない日常と刹那
時計の針が、5:30を指した。
けたたましく鳴きわめく目覚まし時計を乱暴に叩くと、あたしの朝の始まりだ。
「ふあ~…ほんと、なんで一時間半もかかるとこ選んじゃったんだろ…」
毎朝思うこと。もはや習慣である。
眠気もそこそこに、習慣的に開くスマートフォン。
SNSのタイムラインを流れ読みする。
『今日は彼との1ヶ月記念日(ハート)
サプライズでリング貰っちゃった☆
この先一生彼のことしか考えられないかも(ハート)』
今日も友人の投稿は女子高生全開だ。
「っはー、ツーショットまで撮っちゃって。」
ま、3ヶ月持てばいいほうだろうな、と思いながらいいねを押しておいた。
これも毎朝の習慣だ。
体を起こし、制服に着替える。
今日は珍しく二度寝せずにすんだから、いいことあるかもしれない、なーんて。
「真夜~、起きてる~?」
一階から聞こえる母の声。
「今降りる!!」
いいことどころか、悪夢の始まりだなんて、思いもしないのだから。