お前しか見えてないから。*特別番外編*

花鈴は期待外れといった顔で頬をぷうっと膨らませる。



「ご…ごめんね」



「後日談期待してたのに~」



だけど、その時ふと何かに気が付いたのか、「あれ?」と言って急に私をじっと見据えた。



「鈴菜ココ、どうしたの?

なんか赤くなってるよ」



「…えっ?」



花鈴に指を差されたのは首元。



なんだろう…。



「掻きむしったの?蚊に刺された?

でも今冬だから蚊なんていないか……って、あっ!まさか……」



するとその時ふわっと何かを首に巻かれる感触がして。



驚いて後ろを振り返ったら、そこにはナツくんが…。



「すず、マフラーすんの忘れてる」


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