もう絶対離さないから
過去

幼い頃の記憶

<雛side>

私がまだ10歳の頃、お母さんとお父さんと3人で幸せに暮らしていた。
その頃は本当に毎日が楽しかった。

でも、それはすぐに消えたー。

私が家に帰った時もうお父さんはいなくてお母さんは泣いていた。
その時はよく分からなかったけど今ならよく分かる。

お父さんは他に女を作って私たちから逃げたんだー。

それからお母さんは壊れていった。一時期は入院したりもあった。
けれど、今では元気で私のために仕事も頑張ってくれている。でも、その仕事というのが水商売だった。女手一つで育てるにはこれしかないと思いながらも色んな男の人と家に帰ってくるお母さんは正直怖かった。
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