いつか必ずあなたの心掴むから
私はコーヒーを入れた。


影は寝っ転がって煙草を吸っていた。


カップを置いて


「巻きこんじゃってごめんね」


と私は謝った。


影はチラッと私を見た。


「俺もバイク倒されて怒りマックスだったから」


と答えた。


「それよりさ、お前の親警察に届けてるんじゃねーの?」


と聞かれた。


「昨日の夜メールしておいた。しばらく友達の家に泊まるって」


と答えて私もコーヒーをすすった。


「しばらくってそれで納得すんのか?」


と影は煙をはいた。


「うちね、母子家庭なの。お母さんは不倫して未婚の母だったの。


 不倫の子を産むって言ったら勘当されたって。


 それでお母さん昼間の仕事して、でもパートじゃやってけなくて


 スナックで働くようになって、でも客ともめて、


 ・・それで風俗やるようになって・・でもまた何かトラブって


 随分前から出会い系サイトで相手探すようになったの・・


 アパートに既婚者呼ぶの。ホテル代としてきっちり別料金取ってる・・


 客がいる間はアパートに帰れないの・・ 」


言い終わると私はグッタリ疲れた。


この話は美香にしか言ってない。


美香はこの話聞いても友達でいてくれる。


でも、影は・・?


どうして喋っちゃったんだろう。


私は深いため息をついた。


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