いつか必ずあなたの心掴むから
「んで?その母ちゃん恨んでる訳?


 可哀想だねって慰めて欲しい訳?」


と影はソファに座り直した。


コーヒーを飲んでまた煙草に火をつけた。


「あのなぁ、風俗は社会が認知してる職業だぞ?


 風俗無くなったら性犯罪が確実に増える。


 風俗を馬鹿にするな」


と影は言った。


「え?え?」


私の思考回路は麻痺してしまった。


「母ちゃんの気持ちも考えてやれよ。


 どんな気持ちで男に抱かれてるか」



「私・・そんな風に考えた事なかったから・・


 ずっと負い目に感じてて・・


 お母さんを軽蔑してて・・


 あんな喘ぎ声聞きたくない!」


と私は耳をふさいで座り込んだ。


すると影は私の肩を抱いてくれた。



「泣けよ」


と言った。
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