いつか必ずあなたの心掴むから
もう夜の9時をまわっていた。


大人の群れが繁華街の中に吸い込まれて行くように見えた。


制服じゃ目立つよね・・


前に何度も補導された事あるし・・。


やっぱりコインロッカーに服を入れておけば良かった、と後悔した。


(美香のうちに行こうか・・)


静は迷った。でも美香に迷惑や心配をこれ以上かけたくない。


やっぱりネカフェに行こう。


と歩き出した時腕を掴まれた。


見ればチンピラ風の若い男に中年の禿げた親父。


この禿親父が静の腕をぐいと引き寄せた。


「お嬢ちゃん、援交やるならここじゃダメだよ。


 ここは龍神会の縄張りなんだ。


 まあ、見逃してやってもいいけど・・」


とさらに静の腕を引っ張った。


そしてチンピラ風の男にも腕を掴まれた。


(やくざ・・?やばいよ!)


静は恐怖に涙目になった。



「そそるねぇ」


と禿親父は言って静を路地裏に引きずって行った。
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