いつか必ずあなたの心掴むから
私はエレベーターの灯りの下で男の顔を覗き見た。


年は22、3・・?


癖っ毛らしい髪の毛は無造作に伸びていて前髪が長い。


邪魔なのか何度も前髪を払っている。


その時に”彼”の目が見える。


切れ長の目で鋭い眼光をしているが何故か怖い気はしなかった。


身長も高く細身だ。



無言のままエレベーターは止まり彼と私は通路を歩いた。


彼はポケットから鍵を出し、ドアを開けた。


広い玄関。


彼はドカッと廊下に座りブーツを脱いだ。


そして奥へ行ってしまった。


私はどうしたらいいのか困ってしまった。


助けてくれたけど、今度は彼に襲われるかもしれない。


でも、私には行くところがない。


”あの男”がいつ帰るかわからない。


私は「お邪魔します」と言って靴を脱いだ。


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