いつか必ずあなたの心掴むから
「あなたはどうするの・・?」


と私は高鳴る動悸を抑えながら聞いた。


この動悸はやくざへの恐怖の為か、彼に対してのものか・・。


もちろん後者だった。


「そうだなぁ・・しばらく学校休むかな」


と答えた。


「学校って、大学生ですか?」


と私は聞いた。


「一応ね」


「私は・・」「青蘭学園だろ?」


と彼は遮るように言った。


「知ってるんですか?」


と私は驚いて聞いた。


「ああ。俺も青蘭だから」


と答えた。


「先輩だったんですか」


「何度も停学くらったけどね」


と彼は微かに笑った。


その微笑が私にはとっても素敵に見えた。



「私、桜井静っていいます。高2です」


と名乗った。


「ふうん」


と彼は頷いて煙草を吸った。


「あのう、あなたの名前は・・」


「言いたくない」


と遮られた。


私は不思議そうな顔をしていたと思う。


彼はまた微かに笑って、


「あんたの好きな男の名前で呼んでいいよ」


と言われた。
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