君がいたしるし~ひと夏の四人の恋物語~
夏の始まり
皆で旅行!!
ーある年の夏休み前ー
「美空。」
私の名前は櫻澤 美空。
普通の中学二年生。
でも、自分が言うのはなんだけど、人よりはお金持ちだ。
多分、今私を呼んだのはお父様だと思う。
そう思い振り返るとやはりそこに居たのはお父様だった。
「お帰りなさい、お父様。どうされたのですか?」
「ああ。実は今年の夏は家族皆での旅行には、行けそうにないんだ。」
えっそうなんだ…。
私の家では毎年夏休みに旅行に行くことになっている
今年もすっごく楽しみにしてたんだけど…。
でも、きっとお仕事だから、仕方ないよね…。
私が仕方ないです、と言おうとしたらお父様がこんな提案をした。
「だからその代わりと言ってはなんだが、仕事である村の施設に行くことになっているんだ。」
村?
「そこに皆一緒に行かないか?お前の将来にも役に立つと思うんぞ。もちろんいつもと同様に祐飛君も誘って。」
えっ村に行くんだ…。案外楽しそう!!
「わかりました。では、祐飛にも話してみます。」
「そうか。よかった。じゃあもう寝なさい。おやすみなさい、美空。」
「おやすみなさい、お父様。」