七夕祭り
初夏
梅雨の時期も明け…
太陽が煌めく…夏のはじまり。

「あづいぃぃぃ…」

「女子なんだから、らしくしろよ…」

私、細川遥果
普通の女子高生…なんだけど。
お兄には、女子らしくしろと言われる毎日

「だって、暑いじゃん」

「もっとおしとやかにできないわけ?
…だから、彼氏できねぇんだよ」

「…そんなの、お兄に言われなくてもわかってるよ。
私に、彼氏が出来ることは無いって思うし。」

…そこだよ。
こんな考えだからできないんだ。
好きな人がいない訳じゃない…いるんだ。
それは、学校一かっこいい、幼馴染
最近は会ってないけど。

「颯月くんとは、仲良くないの?」

「今はクラス違うからね」

話す機会もない…くらい囲まれてるし。
本当は、私だって颯月の近くに行きたいよ

「…ってのんびりしてると、学校遅れるよ」

「え!?今何時!?…やばっ!急がなきゃ」

皆勤賞狙ってるのに…遅刻できないよ。
自転車で急いでいくと、前に人がいて昇降口に入れない。

「あの!…急いでるんで通してもらっていいですか 」

「…なに。…ん?遥果?」

「何で私の名前知って…って、颯月?」

「奇遇だな。…遅刻ギリだな。」

「お互いやばいんじゃないの?」

「…べつにぃ。俺は」

何よ、それ…でも、久しぶりに話せたかな。

「あと、…遥果、放課後クラスにいくから
話したいことあるし。待ってろよ」

「え?…あ、うん。」
< 1 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop