それでも、君が好きだから。
あれはつい2、3日前のこと。
休み時間に咲良に教科書を借りようと思ってB組をのぞいた私は衝撃で固まった。
「ねぇ、由井くん!今日暇?一緒に最近駅前にできたカフェに行かない?」
そう言いながら、愛梨ちゃんは咲良の腕に自分の腕を絡ませていた。
愛梨ちゃんは男女関係なく人気者で、常に集団にいるタイプ。
「由井くんと付き合ってるの?」
そう何度愛梨ちゃんに聞かれたことか。
そして彼女は、私と咲良が一緒にいるとすごい形相で睨んでくる。
「付き合ってない割に、近くにいすぎじゃない?幼なじみだからってさぁ」