それでも、君が好きだから。
「ねぇ咲良、休憩」



初めて15分程度でひらりはぐでっと机に伏せた。



「早い。まだ2ページもやってねぇだろ?そんなんじゃナオにも勝てないけど」



「だって難しいんだもんー」




そうとうバカのナオに負けたらひどいぞ。さすがに俺の力じゃどうにもならない。




「ナオだってみなみに教えてもらってるだろうし、頑張んなきゃお前再試か補習だろ」




「うー、やだー」




赤点くらいは免れてほしい。割とやさしめな水戸高の数学で赤点取ったらもう信じられない。


そんな人学年に1人いるか、ってレベル。




「咲良はなんでそんなに頭いいの?」




「知るか。」




「学年首位者め……」




いや、そんなに睨まれても。





「いいからはやくやる」




俺はひらりのワークをバンッと叩いた。




「むー」




ひらりが手を動かし始めたのを確認して俺も自分の手を動かす。




「はぁ……」




早く同居、終わってくれ。

< 165 / 256 >

この作品をシェア

pagetop