それでも、君が好きだから。
「子供だなー!咲良は!」



「じゃあそう言うお前はたこ焼きのタコ食えるようになったのか?メロンは?スイカは?トマトは?」



う……



幼なじみで家が隣の咲良だからこそ知る、私の嫌いなもの。




「虫は?触れんのか?あ?」




こ、怖い……威圧感が……




「む、りです……」




「バーカ。人間、数年じゃ大して変わんねぇんだよ」




咲良はそう笑って私の髪をクシャッとした。




「……好きだなぁ」




この、なんてことない時間が、やりとりが。




「え?」




「なんでもない!!早く食べよ、次は体育だ!!」




「女子はバド?」




「バスケ!」




「まじか、男子も」




体育は2クラス合同。私のクラスは咲良のクラスと一緒なんだ。



「やった!咲良のプレー、しっかり見てますんで?」




「お前こそ、ドジすんなよ」




「なめんな!」
< 174 / 256 >

この作品をシェア

pagetop