それでも、君が好きだから。
新しい学校が楽しみな理由はただ一つ。



_私が生まれ、中学生までの間育った地元に戻ってこれたから。



中学二年生に進級する直前の四月。親が離婚して私はお母さんと一緒に隣の県に引っ越し、ひなみとお父さんは地元に残った。




しかしつい先月。突然のことだった。





_お母さんが、交通事故にあって亡くなったんだ。





「もう一か月か……」





それで葬儀もすべて終わって落ち着いた先週。私はお母さんの遺影と共にこっちに戻ってきた。




それでも私は名字はお母さんの旧姓、柴咲のまま。





『いつまでもお母さんを忘れないように』





と、私がお父さんにお願いしたんだ。
< 4 / 256 >

この作品をシェア

pagetop