それでも、君が好きだから。
「あ、分かった!!ひらり、咲良がモテてるの見たくなくて逃げてきたんでしょ?」



ビクッ



「せっかく可愛くしてあげたんだからさそってきなよ!!」




汐子に背中を押される。




「きっと…もう他の子と回ってるもん」


咲良は彼氏じゃないんだから。他の子と回ってても仕方ないんだから。


そう、自分に言い聞かせた。





「もしもし咲良ー?ひらりが一緒に回りたいって言うんだけどー」




みなみがわざとらしく大声でしゃべるから視線を向けると、電話をしていた。




恐らく……いや、絶対咲良にだ。
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