それでも、君が好きだから。
「だってもう12時だろ?」



バッと時計を見ると、長針も短針も12をさしていた。



「集合時間まで……30分……」



顔が真っ青になった気がする。



「は、早くお昼食べなきゃ!!ふ、フードコートどこだっけ!?あっち!?あれ、こっちだっけ!?」

「落ち着け」


「だってあと30分!!」



咲良とデート♪とか浮かれてる場合じゃないよ!!




「いくぞ」




咲良に腕を引っ張られて歩く。


咲良にとっては、なんてことない行為かもしれないけどさ……私にとっては、咲良のすることすべてにドキドキしてるんだよ?



「じ、自分で歩ける!!」


「迷子になるから」



咲良に触れている、触れられている腕が熱い……



「な、ならないもん!!」


「中一の遠足ではぐれたのどこのどいつだよ」


「う……過去のことでしょ!!」


「さぁ、どうだか?」



こんな赤い顔見られたら、絶対からかわれる。




私は咲良に顔を見られないように、フードコートまでずっと俯いて歩いていった。
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