始まりの青
「え……と」
いきなりすぎて、まともな思考が結べない。
パニック状態で答えられずにいると、広瀬は苦笑して、いいよと言った。
「分かってるんだ。俺のこと、菊池はなんとも思ってないって」
「そ……ういう言い方は」
「でも、事実だろ?」
畳みかけるように言われると、うなずくしかないじゃない。
押し黙るあたしを、広瀬はなんだか妙にすっきりした顔で見てる。
「一年のときから、菊池は目立ってた。いい意味でも、悪い意味でもな。なんだか危なっかしく見えて、でも同級生の誰より大人びて見えた。最初の海合宿のときから、菊池のことが気になりだしたんだ。どうして海に入れないのかって」
それは普通、だれだって思うよ。
海に入れないのに水泳部って、どっからどうみたって変だもん。
「菊池が、泳ぐことは大好きなんだって分かってから、不思議と海に入れないことは気にならなくなった。けど、もう菊池から目が離せなくなってたんだ」
ぜんぜん……気づかなかった。
広瀬がそんなこと思ってたなんて。
「二年になっても、三年になってもその気持ちは変わらなかった。けど、菊池は周りと距離を置いてる感じがして、とてもじゃないけど告白なんてできなかったよ。同じ部活だし、ふられたら後々気まずいだろ」
いきなりすぎて、まともな思考が結べない。
パニック状態で答えられずにいると、広瀬は苦笑して、いいよと言った。
「分かってるんだ。俺のこと、菊池はなんとも思ってないって」
「そ……ういう言い方は」
「でも、事実だろ?」
畳みかけるように言われると、うなずくしかないじゃない。
押し黙るあたしを、広瀬はなんだか妙にすっきりした顔で見てる。
「一年のときから、菊池は目立ってた。いい意味でも、悪い意味でもな。なんだか危なっかしく見えて、でも同級生の誰より大人びて見えた。最初の海合宿のときから、菊池のことが気になりだしたんだ。どうして海に入れないのかって」
それは普通、だれだって思うよ。
海に入れないのに水泳部って、どっからどうみたって変だもん。
「菊池が、泳ぐことは大好きなんだって分かってから、不思議と海に入れないことは気にならなくなった。けど、もう菊池から目が離せなくなってたんだ」
ぜんぜん……気づかなかった。
広瀬がそんなこと思ってたなんて。
「二年になっても、三年になってもその気持ちは変わらなかった。けど、菊池は周りと距離を置いてる感じがして、とてもじゃないけど告白なんてできなかったよ。同じ部活だし、ふられたら後々気まずいだろ」