始まりの青
「三田のことを、恋愛対象として見られないんだ」
ひとりの人間として、三田を選ばないんだ。
十八の少女には、すこしきつい言葉かもしれないけれど。
この先三田が新しい恋をしたときに同じ過ちを繰り返さないよう、教師である俺がしてやれることはこれぐらいしかない。
好きだという気持ちは、押し付けるものじゃないから。
「三田の気持ちはうれしい。けど、三田の気持ちには応えられない」
「……考えてももらえないんですか?」
とうとうあふれ出した涙が、真っ赤になった頬に伝う。
かわいそうだけれど、その問いにも肯定を返すしかない。
「俺にも、好きな人がいるんだ」
だから、だめなんだ。
もう一度ごめん、と謝ると、三田は何も言わずに美術室を飛び出していった。
「……はあ…………」
告白を断るのは、いくら経験しても嫌なもんだ。
別に自分が悪いわけじゃないのに、後味がよくない。
ひとりの人間として、三田を選ばないんだ。
十八の少女には、すこしきつい言葉かもしれないけれど。
この先三田が新しい恋をしたときに同じ過ちを繰り返さないよう、教師である俺がしてやれることはこれぐらいしかない。
好きだという気持ちは、押し付けるものじゃないから。
「三田の気持ちはうれしい。けど、三田の気持ちには応えられない」
「……考えてももらえないんですか?」
とうとうあふれ出した涙が、真っ赤になった頬に伝う。
かわいそうだけれど、その問いにも肯定を返すしかない。
「俺にも、好きな人がいるんだ」
だから、だめなんだ。
もう一度ごめん、と謝ると、三田は何も言わずに美術室を飛び出していった。
「……はあ…………」
告白を断るのは、いくら経験しても嫌なもんだ。
別に自分が悪いわけじゃないのに、後味がよくない。