始まりの青
もう一度深くため息をついて、窓辺に寄る。


外を見れば、水が抜かれたプールが見える。


この半年の間に、俺は何度この窓から外を眺めただろう。


あの夏の日から、習慣になってしまうほど毎日見ていたような気がする。


「『今日まで待って』……か」


三田の言葉が耳に残ってる。


その言葉はそっくりそのまま、俺の言葉だから。


今日を待ち望んでいたのは、俺も同じ。


身動きできなかった気持ちが、ようやく自由になる日が来たんだから。





窓から見下ろすと、プールサイドにいる『彼女』と目があった。

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