ただひたすらに君が好きだよ。
-目次-
君との日常。-千鶴said-
-登校-
「千鶴!!!、おはっよー」
蝉の声がかすかに残る、夏の終わり
学校は始まったばかりで、早起きするのも一苦労な毎日....
私、野いち高等学校2年生の時田 千鶴
修学旅行を控えた新学期
みんなの気持ちもざわつきを覚える
「すみちゃん、おはよ、」
後ろから声をかけてきたのは、
山本 すみれ ちゃん!!、学校一仲良しな
私の友達!!
「千鶴、制服のボタン、ズレてる...」
「えっ!?!?」
すみちゃんは、並んで歩くのが恥ずかしくなるくらいの美人さん
長い黒髪を高く一つに縛って、
白い肌によく合う。
まつ毛は長く、目もぱっちり
しっかり者で男子からも人気がある
「い、今直しちゃダメだからね!!!
こんな道端で....」
「わぁぁ...、そっか..、そうだよね
そういえば、すみちゃん今日1人なの?」
「あー、うん、なんか朝、集合かかったんだって」
すみちゃんには付き合って1年の彼氏がいる、
2人とも、男女問わず人気があり
学校でも有名なカップルなんです!!
「そっかー、すみちゃんが朝1人なんて
なんか新鮮だね」
「!?そっ、そんなことないよ///」
慌てながら顔を真っ赤にするすみちゃん
かわっいー!!!
「悟くん(すみちゃんの彼氏)がいないってことは小鳥遊くんもいないのかな?」
「そうじゃない?、千鶴残念だったね
(ニヤニヤ)」
「別に、残念とかそういうんじゃ.....」
悟くんと同じサッカー部で
今年から部長に就任した期待のキャプテン 小鳥遊 湊くん
1年前の夏、すみちゃんと悟くんが付き合い始めてから4人で絡むことが増え
小鳥遊くんとも話すようになった
「なんだ、時田は俺がいなくてもいいのか(しょんぼり).....」
「たっ、小鳥遊くん!?!?」
気づくと小鳥遊くんが後ろから頭に
ポンっと手をのせて言った
「あれ、小鳥遊は部活じゃないの?」
「ああ、俺は悟みたいに馬鹿なことやんねぇからな」
いや、手のっけたまんま話さないでよ!!!
「たっ、小鳥遊くん!!!」
少し怒って振り返ると小鳥遊くんの顔が
思った以上に近くて...
「ん?、どうした時田?」
「///、どうしたじゃなくて、手!!!」
足を止めて振り返る
「手? ああ、もっと撫でて欲しいのか?」
「ちっ、ちがうよ!!、どーけーてっ!!」
小鳥遊くんの手を自分でどかす
「ちょっと、2人でイチャつかないでくれる、疎外感半端ないんですけど...」
「まぁ、そういうなよ(ニコニコ)」
「い、イヤ、まずイチャついてないから....、小鳥遊くんも否定してよ!!」
すみちゃんがいつから気付いてたのかは
未だにわからないけど、
私は小鳥遊くんが好きで、
でも決して付き合ってるとかそういうのはなくて.....
少しでも、気に留めていてもらえれば
嬉しいけど...
それはちょっと欲張りすぎかな。
小鳥遊くんもそれはそれはモテていて
すみちゃんがいるからこそ
何も言われずに済んでるけど
もし、すみちゃんがいなかったら
きっと、他の女子からの嫉妬で
ボロボロにされてたと思う
「...バカ、悟...ほんとバカすぎる...」
「今時ないよな、夏休みの宿題
犬に食われたなんて...」
あっ、悟くんそれで朝呼ばれたんだ...
悟くん、話信じてもらうの大変だろうな...(苦笑)
「まぁ、いざとなったら俺がなんとかしてやるよ」
「おっ、さすが小鳥遊!!、カッコイイ!!」
おぉー!! すみちゃん!!、恐るべし、
なんでカッコイイとか普通に言えちゃうの!?
「おうよ、頼れるキャプテンだからな」
「小鳥遊くん...、それ自分で言った時点で台無しです。」
「時田は厳しいね〜」
こんな風に話していると、あっという間に学校に着いた
「千鶴、またお昼にね」
「うん、待ってる、小鳥遊くんも
あとでね(ニコッ)」
「お、おう!!」
私は2人とクラスが違うすみちゃんとは
1年の時一緒で
2年になって離れちゃったけど、
小鳥遊くんとは1年から2回とも
隣のクラス止まり...
でも、それとは逆に2年間ずーっと同じクラスの人もいる
「ちーーづーーるーー!!!!」
「悟くん!!、おはよ!、朝から災難だったね」
そう!、悟くんとは1年から2回とも
同じクラスなのです!!
「本当だぜ!!、もう聞いてくれよ
先生とか
『そんな漫画みたいな言い訳
信じると思ってるんですか!! 素直にできませんでしたと言いなさい!!』
だってよ、ひどくねぇか!?」
隣の席に座りながら
私の方を見て机に潰れる
「う、うん..結局もう一回?」
「そ、そうなんだよーー、
なんか
『もしそれが本当だとしても
管理の届いていなかったあなたの責任ですよ』
だってさ、宿題の管理とか...知るかよ
ってか、ぜってぇ信じてねぇし」
「本当ですって胸張って言えるのにね、
悟くんはやっていません!!
夏休み最終日の夜、一晩かけて私の家で一所懸命に宿題を写してました!! ってね」
「う"っ、それは自殺行為だな...
あぁ〜、千鶴ももう提出しちゃったし、
自分でやるとか、マジ無理...」
「手伝おっか?、あっ、でもすみちゃん
に手伝ってもらった方がいいか」
「いや、すみれにこんなの知られたくない」
そう言ってうつ伏せる悟くん
もう知られちゃってるんですよねぇ
これが....
「ん?、でも千鶴知ってたよな.....
ま、まさか....」
「ハハ、そのまさかだね」
「くっそ、
みーーなーーーとーーー!!!!!」
ガバッと起き上がって、勢いよく叫ぶ
まぁ、すみちゃんに知られたくないってのは、悟くんらしいね
「ハハ、怒らない怒らない、
これならすみちゃんに手伝ってもらえるじゃん!!」
「甘えたこというなっ!!、って怒りながら手伝ってくれそうだけど...
やっぱ、俺ダセェーーー」
「悟くんは面白いね〜、
見てて飽きないよ(笑)」
「なんか、今それを聞いても
全く嬉しくないんだけど...」
ハハハ...
「千鶴〜、なんか3年生来てるよー」
クラスの人が廊下から私を呼ぶ
「今行く〜」
「先輩か?」
「多分、
悟くん!!、ガンバ!」
そう言い残して席をたつ
「やぁ、千鶴ちゃん、おはよ」
「宏斗先輩!、おはようございます!!」
「突然ごめんね、ちょっと手伝ってもらいたいことがあってさ」
宇都宮 宏斗先輩 私の所属する書道部の
部長で、
3年生が引退するなか大学が決まってしまった3年生は部活に残っていたりする
「はい!!、なんでしょうか?」
「実は、今度部活に講師を招いて
指導をいただこうと思うんだけど、
せっかくだから畳敷きたいと思って、
茶道部から借りられないか交渉をお願いしたいんだけどいいかな?」
「茶道部の部長2年生ですもんね!
もちろん、お引き受けします!!」
小鳥遊くんとすみちゃんのクラスだ!!
「では、次期部長の千鶴ちゃん、
よろしくお願いします!!」
「そ、それはちょっとわかりませんけど...」
私は少し困って下を向く
「不思議だなぁ、きっと部員全員が
君を部長に推薦するのに」
「宏斗先輩....
部員全員って言っても3人だけじゃないですか、
しかも、もう1人も3年生だし...、」
そう、私の所属する書道部は
部員3人のちっぽけな部活
今年の春、たくさんの1年生が体験に来てくれたのだけど、
ほとんどが先輩目当てで、あまりの態度に途中でブチ切れ
結局1人も入ってもらえず、廃部寸前の部活なのだ
「まぁ、何はともあれ、頼んだぞ」
「はい....」
先輩は私の頭をポンと叩き自分の教室へと戻っていった
講師って言っても、先輩のお母さんなんだろうなきっと
「気使わせちゃってるな....」
教室に入るとなぜかみんながドアの近くに集まっていた
「やっぱ、宇都宮先輩カッコイイよねー」
「千鶴、何話してたの?
先輩と2人で話せるなんて羨ましい..」
「えっ、部活のことだけど...」
「なんで千鶴は、悟といい小鳥遊くんといい、宇都宮先輩といい、そうイケメンとばっかり
関わりが多いの?」
「ほんと、ちょー羨ましい〜」
クラスの女子に囲まれなかなか席に着けない....
「いや......、そんな羨ましがられるようなことなんて何も.......」
こ、こわい...
一見ニコニコして、仲良く話してるように見えるけど
目が、笑ってない。
「千鶴〜、ちょっとでいいから手伝ってくれー」
窓側で悟くんが私を呼んでくれた
た、助かった〜
「う、うん!!」
急いでその場から抜け出し悟くんの
元に向かう
「俺、ファインプレー??」
「うん!!、お詫びになんでも手伝いますよ!!!」
「おっ、それは嬉しいね!」
私は再び席に着いて、悟くんの宿題を
手伝った