Afther 姫☆組 (姫シリーズVol.4) 【完】
「・・・・・」

「どういう事情かわからないけど、レンにとって世界でひとりの父親よ?母親だけの感情で判断しないことが大事よ?」

とマーサは優しく微笑み、姫花にレンを手渡した

「お待たせ~」

そこへタイミングよくケンがコーヒーを持ってきた

既にテレビの話題は、別のものになっていたし、他のお客が来たことで、これ以上この話題になることはなかった

カフェを出た姫花が、ベビーカーを押しながら、思い出すのは潤也のことだった

家のテレビはほとんどつけないし、レンがいたずらするから新聞もとってない

雑誌はあえて買ってない

雑誌を買わないのは、まだモデルという仕事に未練があったから・・

そして、自分ではない誰かの隣で微笑む潤也を見たくなかったから・・

今朝、久しぶりに見た潤也の隣にいたのはあの日潤也の部屋にいた金髪の女性だった

彼女が潤也にとってどういう女性なのか知らないけど、公の場にエスコートしてでてくる仲なのは事実で、潤也に腰を抱かれて歩いている彼女が笑顔で、彼女に微笑む潤也がいたのが現実だった

日向を失って、もう二度と恋は出来ないと思っていた

人を愛することが怖くなった

だから、日向意外の男性に胸を締め付けられるような感情を抱くとは思っていなかった

日向と出会うより以前に潤也とか出会っていたから余計に不思議だった

どこかの雑誌で読んだっけ・・

“恋はするものじゃなくて、堕ちるもの”

私はいつ潤也に堕ちたんだろう・・・

ぼっーとしながら歩いていた姫花はベビーカーが動かなくなり、初めて、目の前にいる集団に気がついた



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