Afther 姫☆組 (姫シリーズVol.4) 【完】
潤也がフロアに現れるとざわつく店内

あちらこちらから声がかかるものの、それに一切反応することのない潤也だったが、カウンター席から聞こえた声に思わず足を止める

「あら? 私のこと・・・覚えてないの?」

「・・・・・・」

その女の後ろにいるジェイソンに視線を移す潤也だったが、ジェイソンも首を振るので、知らないらしい

「・・・・まぁ 仕方ないか・・・ 大倉姫花・・ シアトルからまた姿を消したわね」

と笑う女

潤也は再び耳に入ったその言葉に、無言で女の腕をつかみ、今歩いてきた道をそのまま戻り、再びエレベーターに乗ったのだった

「相変わらずねぇ」

女は潤也を見上げクスッと笑った

そんな女の態度に眉をひそめた潤也は、女をソファに連れて行く

再び戻ってきた潤也首をかしげたアリだったが、その横に女がいることに驚いた

我が者顔に、腕と足を組みソファに座っている女を見下ろすように立つ潤也は

「どういう事? あんた誰?」

と冷たく言い放つ

「ハッ・・ 本当に忘れているのね?」

「何が望み?」

「別に・・ 」

「じゃあなんで、ここに来た? わざわざあの記事の事を口にだすこともねぇだろ?」

「・・・・・」

何も言わない女の前に座った潤也は、女を睨みつけたまましばらく時間が過ぎていった

< 71 / 101 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop