悪魔の騎士
そんなこんなで連れて来られたのは、大きなお屋敷。
「ただいま~」
マサキさんはそう言って中に入っていく。
ただいまってことは、マサキさんの家…?
「え、ちょっと待って!
私、初めて会った人の家にお邪魔するなんて……!」
「……………初めてじゃないだろ?」
私の声をかき消すように、低いジンさんの声が響く。
「俺に会うのも、マサキに会うのも、
この屋敷に来るのも、
きいは初めてじゃないはずだ。」
え……?
それってどういうこと…?
いろいろ聞きたいことは山程あるけど、
低く、どこか切なそうに言うジンさんに
何も聞くことは出来なかった。