妄想オトメ






私がそんなこと思っているなんて

知らない先輩は,

さらに私をドキドキさせる。



私は先輩の魔法にかかって,

動くことさえ許されない。



本当に先輩は,

私をドキドキさせる天才だよ。






「演説なんていいから,

早くおれの部屋いこ……??」



体を離し,

先輩の右手に

ちょっとつかまる。


そして手を引かれながら,

ゆっくり階段を上っていった。









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