妄想オトメ






そして,元気のない私に気を遣って,

4人で帰るのを

やめようと言ってくれた弥生に

「大丈夫」

と笑顔で言った私も,

もっと嫌だった。



きっと,弥生はなにかを

感じてるんだと思う。



それで,

私が言いだすのを,

待ってる。



せっかく

私が言う機会を

つくろうとしてくれたのに,

私は拒んだ。



言うのは,嫌じゃないの。



わかってたことだから。



でもまだ,

言いたくないんだ……。







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