私、今から詐欺師になります
「ええっ!?
 そうなんですかっ?」
と思わず振り向き、叫ぶと、

「……お前はどういうつもりで俺と居るんだ」
と言われてしまう。

「俺を騙して、金を巻き上げるんだろ?」
と言った穂積は手にしていたカップをベンチに置く。

 そのまま、茅野に口づけてきた。

 一瞬、フリーズして動けなくなる。

 だが、次の瞬間、穂積の胸を茅野は突き飛ばしていた。

「駄目ですっ。
 これでは、まるで浮気ですっ」

「いや……最初からそうだと思うんだが」

 やっぱり、お前、よくわかってなかったな? と溜息をつかれた。









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