私、今から詐欺師になります
いきなり茅野がこちらを振り向き、
「玲さん、聞いてます?」
と言ってきた。
「ああ、ごめん。
聞いてなかった」
と言うと、
「もう~、なに考えてらしたんですか?」
と拗ねたように言ってくる。
「いや……可愛いなと思って」
とふいを突かれて質問されて、つい、本心をそのまま言ってしまうと、赤くなった茅野は、
「玲さんって、意外とそんなとこ、男の人ですよね」
と言ってくる。
男の人は大抵、女の話を聞いてない、とひとまとめに切って捨てられたが、なんとなく嬉しかった。
自分が男として、茅野に見てもらえていることが。
茅野と一緒にバスを降り、家の前まで彼女を送った。
案の定、デカイ家だった。
まだ新しい。
茅野と結婚してから建てたのだろう。
もし、茅野が出て行ったら、秀行は此処にひとりになってしまうのか。
「玲さん、聞いてます?」
と言ってきた。
「ああ、ごめん。
聞いてなかった」
と言うと、
「もう~、なに考えてらしたんですか?」
と拗ねたように言ってくる。
「いや……可愛いなと思って」
とふいを突かれて質問されて、つい、本心をそのまま言ってしまうと、赤くなった茅野は、
「玲さんって、意外とそんなとこ、男の人ですよね」
と言ってくる。
男の人は大抵、女の話を聞いてない、とひとまとめに切って捨てられたが、なんとなく嬉しかった。
自分が男として、茅野に見てもらえていることが。
茅野と一緒にバスを降り、家の前まで彼女を送った。
案の定、デカイ家だった。
まだ新しい。
茅野と結婚してから建てたのだろう。
もし、茅野が出て行ったら、秀行は此処にひとりになってしまうのか。