私、今から詐欺師になります
「これだろ?」
と秀行は茅野をお姫様抱っこしたまま、片手であのタクティカルペンを出してきた。
そのまま、遠くへ放る。
茅野は慌てて飛び降り、それを取りに走る。
急いでつかんだときには、もう、秀行はそこまで来ていた。
タクティカルペンを手に、
「刺しますっ」
と言ったが、秀行に軽くその手首を払われた。
力のない茅野の手から、それは、いとも簡単に飛んでいく。
ああっ? と振り返ると、阿呆か、という目で秀行が見下ろしていた。
再び拾おうとしたとき、
「来い、茅野」
と腕をつかまれたので、茅野は慌てて側にあったものをその腕に抱えた。
「刺しますっ」
とそれを振り上げ言うと、
「刺せるかっ」
と怒鳴られる。
茅野がつかんでいたのは花瓶だった。
自分も、言ったあとで、
うーむ。
よくある凶器には違いないが、刺せないな、とは思っていた。
サスペンスなら、これで殴れば、ほぼ100%死ぬのだが……。
と秀行は茅野をお姫様抱っこしたまま、片手であのタクティカルペンを出してきた。
そのまま、遠くへ放る。
茅野は慌てて飛び降り、それを取りに走る。
急いでつかんだときには、もう、秀行はそこまで来ていた。
タクティカルペンを手に、
「刺しますっ」
と言ったが、秀行に軽くその手首を払われた。
力のない茅野の手から、それは、いとも簡単に飛んでいく。
ああっ? と振り返ると、阿呆か、という目で秀行が見下ろしていた。
再び拾おうとしたとき、
「来い、茅野」
と腕をつかまれたので、茅野は慌てて側にあったものをその腕に抱えた。
「刺しますっ」
とそれを振り上げ言うと、
「刺せるかっ」
と怒鳴られる。
茅野がつかんでいたのは花瓶だった。
自分も、言ったあとで、
うーむ。
よくある凶器には違いないが、刺せないな、とは思っていた。
サスペンスなら、これで殴れば、ほぼ100%死ぬのだが……。