私、今から詐欺師になります
「なんでもない。
 早くしろ。

 腹が減って、痛くなってきたじゃないか」
と顔を上げて秀行は言う。

 だが、まだテーブルに寄りかかるように手をついていた。

 ……はーい、と茅野はキッチンに戻りながらも、もう一度、秀行を振り返り見る。



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